今日は慶應義塾大学大学院の学位授与式とSDM研究科の学位授与式に出席しました。
大変光栄なことに、SDM研究科学位授与式で修了生代表の式辞を読ませて頂きました。
折角なので、このブログの締めくくりとして、全文載せたいと思います。
『はじめに、修了生を代表して、慶應SDMの全教員の皆様、学生部の皆様に厚く御礼を申し上げます。
また、SDMの同窓生、勤務先、そして家族に感謝を申し上げたいと思います。
私がSDMに入学しようと思ったのは2008年の夏、ちょうど北京オリンピックが始まった頃です。まだSDMは三田キャンパスにありましたが、南館にある春山先生のオフィスを訪ね、お話を伺ったことを今でもハッキリ覚えています。
職場の理解もあり、2009年に在職ドクターとして入学することができました。
当時のSDMは、先生と学生部、そして一期生がまさに一丸となってSDMを作っていくんだ、といった情熱に満ちあふれていました。
実は私は当初、あまり「SDM」に興味がありませんでした。
なぜなら自分は博士研究をするために入学したのであって、講義やイベントに参加することや、研究科を盛り上げていく気持ちはあまりなかったからです。
ところが、必修科目の講義やALPSに参加していく内に気持ちが大きく変わりました。多種多様なバックグランドを持った先生や仲間たちと議論をすることが、何より自分のキャリアや、生き方に重要だと気づいたからです。気がつけば、あっという間に2009年が終わっていました。
この年は結局、論文を1本も書けなかったのですが、スタート時に、多視点で研究を捉える思考を身につけたことが、最後までぶれずに研究を続けられた要因のひとつだと思います。
在学中に国内外の大学や学会で研究発表をする機会をたくさん経験することができました。また、SDMの一員として、国家プロジェクトや大企業との共同研究の機会も頂きました。その度にSDMは本当に環境に恵まれていると感じました。ユニークな研究をしている先生や学生たちが、毎日、素晴らしいキャンパスと設備の中で過ごしています。そして、常に変化を続けています。私は、できるだけ長くSDMにいたいという思いから、東京から日吉に引越しをしてしまったほどです。
私の博士研究はとてもニッチですが、春山先生、神武先生をはじめ、多くの先生の指導のもと、世界中の誰もが解決できていない課題にチャレンジし、発信してきました。研究の成果はまだ、社会全体に浸透していませんが、必ず役に立つ日が来ると信じています。
最後に、5周年を迎えたSDMが、10年、20年と発展し続けて行くこと、そして本日参加の皆様の益々のご活躍を心からお祈り申し上げ、簡単ですが代表謝辞とさせて頂きます。
2013年9月18日 慶應SDM 中島 円』
